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サーバーの電源ユニットが冗長化されており、2本の電源ケーブルを別々のUPSに接続して運用しているとします。この構成で片系のUPS本体が故障した時の入れ替え手順をご紹介します。
システム構成
- Eaton 5PX UPS + Eaton Network-MS Card (Firmware:JL) 2台
- Windows Server + Eaton IPP 1.53 (電源ユニット冗長構成) 1台
前提条件:UPS本体とネットワークカードは、IPアドレスとホスト名を除いて同一設定されている
このブログが想定している障害
2台のUPS(UPS1,UPS2)のうち、1台のUPS本体(UPS2)に障害発生。
UPS2のフロントパネルがどこも点灯しておらず、出力も停止している状態。電源ケーブルを抜き差ししても現象変わらず。
サーバーは電源冗長構成のため、UPS1によって継続稼働中。
UPS本体を交換する前にやっておくべきこと
故障したUPS(UPS2)に接続されているサーバーの電源ケーブルを抜いて、商用電源(できれば別系統)に接続してください。UPS1の故障もしくは停電発生を考えると、UPS2に接続したままの状態は好ましくありません。
UPS 本体交換
5PX UPSはEOLになっているため、同容量の9PX UPSを購入します。
故障した5PXと9PXを物理的に入れ替えます。Network-MS Cardは継続利用するため、9PXのミニスロットに挿入します。
電源ケーブルとLANケーブルを接続したあと、電源ボタンを押してUPSをPower ONします。
UPS 本体設定
9PX UPSのフロントパネルを操作して基本的な設定を行います。
【必ず設定する項目】
- 現在日時 Setting > Local setting > Day Time
【UPS1で設定されている値と同一にする項目】
- オートリスタート Setting > On/Off setting > Start/Restart > Auto Restart
- フォーストリブート Setting > On/Off setting > Start/Restart > Forced Reboot
※5PX(UPS1)のForced RebootがDisabledだったら、9PX(UPS2)もDisabledに設定します。
※上記以外に設定変更している項目があれば、それらも合わせてください。
Network-MS 設定確認
Network-MSは交換していないので、基本的に設定は引き継がれますが、確認のためUPS1とUPS2のNetwork-MSにログインして設定を見比べます。
【必ず比較して確認する項目】
- シャットダウンパラメーター
- ネットワーク
- 時間
【シャットダウンパラメーター】
9PXでは[スイッチオン After xx 秒]という項目が増えます。ここが0秒になっていることを確認してください。
他の項目は、UPS1の値に合わせてください。最後に[保存]します。
【ネットワーク】
IPアドレスとホスト名は、UPS1と異なる値が設定されていると思います。ホスト名に[5PX]という文字列を含めている場合、[9PX]に変更すると良いでしょう。
【時間】
NTPサーバーが存在していれば、[NTPサーバーと同期する]を選択してNTPサーバーを指定します。
NTPサーバーが存在しなければ、[手動による設定]を選択して現在日時を入力して保存します。そのあと、[イートンアプリケーションからの自動アップデートを承認します]を選択して保存します。
IPP 設定確認
IPPにログインして、UPSとVPSのステータスがOK(緑アイコン)になっていることを確認します。
【自動検出】
UPS2の説明が9PXになっていることを確認します。
UPS2とVPSのステータスがOK(緑アイコン)になっていることを確認します。
【シャットダウン】
パワーソースの構成 > パワーソース にVPSが設定されていることを確認します。
【パワーコンポーネント】
UPS2をクリックして、右側に9PXの情報が取得できていることを確認します。
シャットダウンテスト
IPPの設定確認で、すべてがOKだったら、UPS1とUPS2の電源ケーブルを同時に抜いてシャットダウンテストを実施します。サーバーとUPSがシャットダウンするので影響が無いタイミングで実施してください。
サーバーもUPSもシャットダウンしたら作業は終了です。
ここから下のブログを読む必要はありません。お疲れ様でした。
シャットダウンテストでサーバーがシャットダウンしなかった場合、もしくは、IPPの設定確認でOKになっていない箇所がある(どこかしらにエラーや不明がある)場合、これより下の作業を実施してください。
Network-MS ファームウェア アップデート
カードのファームウェアを最新バージョンにアップデートします。UPS1と2の両方とも実施します。手順は下記ブログをご確認ください。
【Network-MS】 ファームウェアバージョンアップ手順
IPP アップデート
IPPを最新バージョンにアップデートします。ダウンロード手順は下記ブログをご確認ください。
インストールは、ダウンロードしたexeファイルを実行して、[Next][OK][Install]を押して進めるだけのため省略します。
IPP 再設定
ここでは、既存のノードを全部削除して、新たにノードを検出してパワーソースと設定する手順を解説します。
設定 > シャットダウン > パワーソースを編集
パワーソースを[なし]に変更して保存します。
自動検出に移動して、[すべて選択]をクリックします。
[ノードの削除]をクリックします。
ノードリストが空欄になりました。[アドレスのスキャン]をクリックします。
UPS1のIPアドレスを入力して[スキャン]をクリックします。
UPS1のノードが追加されました。
同じオペレーションでUPS2も追加します。
[すべて選択]をクリックします。
[複合デバイスのセット]をクリックします。
冗長モード:[冗長用パーツ]を選択して保存します。
ノードリストにVPSノードが追加されました。VPSノードを選択して[パワーソースとして設定]をクリックします。
変更しないで保存します。
すべてのノードがOK(緑アイコン)になりました。
シャットダウンに移動して、パワーソースにVPSが設定されていることを確認します。
シャットダウンテスト
UPS1とUPS2の電源ケーブルを同時に抜いてシャットダウンテストを実施します。サーバーとUPSがシャットダウンするので影響が無いタイミングで実施してください。
おわりに
TwitterとYouTubeでEaton UPSの情報を配信しております。よろしくお願い致します。
Twitter : https://twitter.com/eaton_daitron
YouTube : https://www.youtube.com/user/EatonDaito
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