Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【Network-M2】 停電時のUPSシャットダウン設定 Firmware 3.x.x

停電発生時にNetwork-M2が接続されたUPSをシャットダウンする設定を解説します。

停電時のシャットダウンフロー

停電になると、UPSはバッテリーモードになります。設定した[シャットダウン基準]に到達すると、UPSはシャットダウンシーケンスへ移行します。[シャットダウン基準]に到達する前に電源が回復すると、UPSはオンラインモードに戻りシャットダウンは実行されません。

シャットダウンシーケンスに移行したUPSは、設定したシャットダウンタイム(xxx秒)後に出力を停止し、そのあとシャットダウンします。

コンセントグループの主従関係

出力コンセントが、Master、Group 1、Group 2と3つのグループに分かれている機種があります。
Master(主) – Group 1,2(従)の関係となっており、MasterをOFFにすれば自動的にGroup 1と2もOFFとなります。
そのため、シャットダウンに関しては、Masterだけ設定すれば十分です。

シャットダウン基準 設定

保護 > 停電時のシャットダウン

Output:ON (有効)

電力供給戦略を選択する:[可用性を最大化]を選択した場合

【シャットダウン基準到達条件】

[可用性を最大化]は最大限バッテリー運転させる設定です。シャットダウンシーケンスが終了した時に、バックアップ時間が30秒残るようにシーケンスを開始します。
例えば、シャットダウンタイムが210秒に設定されている場合、UPSのバックアップ時間が240秒を下回った時にシャットダウンシーケンスへ移行します。

 

電力供給戦略を選択する:[即時オフ]を選択した場合

【シャットダウン基準到達条件】

[即時オフ]は10秒間バッテリー運転したらシャットダウンシーケンスへ移行する設定です。
例えば、シャットダウンタイムが210秒に設定されている場合、計220秒後に出力を停止し、そのあとシャットダウンします。

電力供給戦略を選択する:[部分的送電停止]を選択した場合

【シャットダウン基準到達条件】

[部分的送電停止]は3つの基準のうち、上2つを任意選択できます。基準はOR条件となります。2つ選択した場合、いずれかの基準に到達した時にシャットダウンシーケンスへ移行します。

  • バッテリーが次の時間使用中の場合はシーケンスを開始する xxx秒
    (xxx秒間バッテリー運転したらシャットダウンシーケンスへ移行します)
  • バッテリーの残量が以下の場合はシーケンスを開始する yyパーセント
    (バッテリーの残量がyy%を下回ったらシャットダウンシーケンスへ移行します)

電力供給戦略を選択する:[カスタム]を選択した場合

[カスタム]は3つの基準を任意選択できます。基準はOR条件となります。3つ選択した場合、いずれかの基準に到達した時にシャットダウンシーケンスへ移行します。

3つ目の基準は文字だけだと理解が難しいため、チャート図入りで解説します。

[開始]を選択した場合

【シャットダウン基準到達条件】

バックアップの限界を起点として、xxx秒前にシャットダウンシーケンスへ移行します。
例えば、240秒に設定されている場合、UPSのバックアップ時間が240秒を下回った時にシャットダウンシーケンスへ移行します。

[終了]を選択した場合

【シャットダウン基準到達条件】

シャットダウンシーケンスが終了した時に、バックアップ時間がxxx秒残るようにシーケンスを開始します。
例えば、シャットダウンタイムが210秒で、残す時間を120秒に設定した場合、UPSのバックアップ時間が330秒を下回った時にシャットダウンシーケンスへ移行します。

シャットダウンタイム 設定

シャットダウンシーケンスに移行した時、xxx秒後にUPSをシャットダウンさせるかの設定は[エージェントシャットダウンシーケンス]にて実施します。

保護 > エージェントはシーケンスをシャットダウンします

OUTPUTのOSシャットダウン時間(秒)のローカルにxxx秒を設定して保存します。

シャットダウン 設定例

参考として、600秒(10分)間バッテリー運転が継続したら、180秒後に出力を停止してUPSがシャットダウンする設定を紹介します。

保護 > 停電時のシャットダウン

保護 > エージェントはシーケンスをシャットダウンします

【重要】注意事項

UPSのシャットダウンシーケンスは必要最低限とし、長く設定しないように十分注意願います。OSシャットダウン時間に影響するIPPのシャットダウン継続時間も同様です。
バッテリーランタイム ≦ シャットダウンシーケンスが成立する場合、UPSは即時シャットダウンシーケンスに移行します。

具体的な数値で説明します。
600秒(10分)間バッテリー運転が継続したら、1200秒(20分)間のシャットダウンシーケンスに移行する設定になっているとします。
この時バッテリー運転になり、バッテリーが900秒(15分)しか持たないとしたら、600秒(10分)間を待ってられません。シャットダウンに必要な時間は1200秒間(20分)と設定されています。そのため、UPSは即時シャットダウンシーケンスへ移行してシャットダウン処理を進めます。

バッテリーランタイム > シャットダウンシーケンス を常に保たなくてはなりません。

  • シャットダウンシーケンスは必要最低限の設定にする
  • UPSの負荷を減らしてバッテリーランタイムを長くする
  • UPSに拡張バッテリーを増設してバッテリーランタイムを長くする

おわりに

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