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NetApp FAS2750の2ノードクラスタ構成をIPM2を使ってシャットダウンしました。
本記事では、こちらの設定内容について解説いたします。
はじめに
IPM2の基本設定(IP設定、ライセンス適用、UPS検出など)は済んでいる前提で話が進みます。ご承知おきください。
検証環境
NetApp
・NetApp FAS2750 ×2
・ONTAP ver 9.11.1P12
Hyper-v Host Server(IPM2.7.2デプロイ用)
・Windows Server 2022
Eaton UPS
・9PX700 + Network-M2 Ver 3.1.8
Eaton Software
・Intelligent Power Manager 2 (IPM2) Ver 2.7.2
IPM2にNetApp接続用アカウントを追加
IPM2にログインし、「設定」-「Security Wallet」画面に移動します。
「新規作成」をクリックします。
「クレデンシャル」ウィンドウにて、「ユーザとパスワード」を選択します。
以下の項目に沿ってクレデンシャル情報を入力し、「保存」をクリックします。
・クレデンシャル名:任意
・クレデンシャルの使用:ユーザスクリプト
・タグ付けする:任意
・ユーザー:NetAppへ接続するユーザID名
・パスワード:上記ユーザのパスワード
下記画面にてIPM2のパスワード入力を求められます。パスワードを入力し、「確認」をクリックします。
クレデンシャル情報が追加されました。
以上で、NetApp接続用アカウント追加作業は完了です。
カスタムスクリプトの作成
本手順では、IPM2にアップロードしたカスタムスクリプトを用いてNetAppをシャットダウンします。
任意のフォルダに下記スクリプト内容を「.sh」ファイルとして保存してください。
#!/bin/bash NETAPP_LOGIN=$(etn-secwcmd -u "$WALLET") NETAPP_PASSWORD=$(etn-secwcmd -p "$WALLET") sshpass -p "$NETAPP_PASSWORD" ssh -o ConnectTimeout=10 $NETAPP_LOGIN@$NETAPP_SERVER "system node halt -node * -skip-lif-migration-before-shutdown true -ignore-quorum-warnings true -inhibit-takeover true" echo "script ended" exit 0
保存する際、Windows標準の「メモ帳」アプリではなく、サクラエディタやWordを使って、改行コード「LF」に指定の上保存をお願いします。
本手順では、Wordを使った改行コード「LF」でのテキストファイルファイル保存方法を解説します。
上部のスクリプト内容をコピーします。
「Microsoft word」を起動します。
コピーしたコマンドをWordにペーストして、赤枠の改行を削除します。
「ファイル」タブをクリックします。
「名前を付けて保存」を選択し、「参照」をクリックします。
「ファイルの種類」を「書式なし(*.txt)」に変更します。
「ファイル名」を任意の名前に変更し、「保存」をクリックします。(ファイルの保存先は任意です。)
「ファイルの変換」ウィンドウが表示されますので、「行末」を「改行文字(LF)のみ」に変更して「OK」をクリックします。
保存したテキストファイルを開くと、改行コード「LF」にて保存されています。
ファイル名を「.txt」から「.sh」に変更してください。
以上で、カスタムスクリプトファイルの準備は完了です。
IPM2にカスタムスクリプトをアップロード
「オートメーション」画面から「オートメーション設定」をクリックします。
「Script Management」タブの「インポート」をクリックします。
「スクリプトのアップロード」画面が表示されますので、「参照」をクリックします。
「ファイルのアップロード」ウィンドウにて、先ほど作成した.shファイルを選択し「開く」をクリックします。
「スクリプトのアップロード」ウィンドウに戻りますので、選択したファイル名が正しいことを確認し、「アップロード」をクリックします。
以上で、スクリプトファイルのアップロードが完了しました。
オートメーション設定
UPSの停電検知後60秒後にNetAppをシャットダウンするアクションを作成します。
「オートメーション」画面から「新規作成」-「オートメーション」をクリックします。
「自動化名」に任意のアクション名を入力し、「トリガーの挿入」欄の「電力の問題」をクリックします。
「UPSのAC停電」を選択し、「次のページ」をクリックします。
シャットダウンアクションのトリガーとするUPSを選択し、「終了」をクリックします。
トリガーが追加されました。
「アクション」欄の「遅延タイム」をクリックします。
「待機」タブにて、待機時間を「60」秒に設定し「終了」をクリックします。
「待機時間」のアクションが追加されました。
「アクション」欄の「初期トリガーの有効性チェック」をクリックします。
「自動化を終了します」にチェックを入れ、「終了」をクリックします。
「初期トリガーの有効性確認」アクションが追加されました。
「アクション」欄から「カスタムスクリプト」をクリックします。
アップロードした.shファイルを選択し、「次のページ」をクリックします。
「環境変数」欄に下記の値を入力します。(+ボタンをクリックすることで、項目を追加できます。)入力後、「次のページ」をクリックします。
NETAPP_SERVER = NetAppのIPアドレス
WALLET = IPM2に追加したNetapp接続用アカウントのクレデンシャル名
「現在の自動化を続行します(デフォルトの動作)」にチェックを入れ、タイムアウトの値を600秒に設定した後、「終了」をクリックします。
「カスタムスクリプト」のアクションが追加されました。「保存」をクリックします。
下記赤枠のボタンをクリックして、作成したオートメーションを有効化します。
以上で、オートメーション設定は完了です。
NetAppシャットダウンテスト
UPSへの電力供給を遮断し、NetAppがシャットダウンすることを確認します。
UPSのオンバッテリを検知後60秒にシャットダウンアクションが実行され、NetAppがシャットダウンされました。
ノード1,2とノード管理用IPアドレスからのPING応答も停止しました。
おわりに
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