Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【IPM】 シャットダウン for Nutanix AHV & CVM 6.5.2(LTS) by IPM2

Nutanix AHV & CVMをIPM2.7.2を使ってシャットダウンしました。
本記事では、こちらの設定内容について解説いたします。

はじめに

IPM2の基本設定(IP設定、ライセンス適用、UPS検出など)Nutanixのクラスタ構築は済んでいる前提で話が進みます。ご承知おきください。

検証環境

Nutanix AHV + CVM 

 ・Nutanix AHV × 3ノード
 ・Virtual Machine × 13台(CVM,Prism Central含む)

Hyper-v Host Server(IPM2.7.2デプロイ用)

 ・Windows Server 2022

Eaton UPS
 ・9PX700 + Network-M2 Ver 3.1.8

Eaton Software
 ・Intelligent Power Manager 2 (IPM2) Ver 2.7.2

シャットダウンフロー (停電時)

  1. UPSのAC停電
  2. 60秒待機
  3. UPSのAC停電が継続しているかの確認(瞬停でシャットダウン処理を開始させないため)
  4. 仮想マシン(CVM×3以外)の停止
  5. クラスタ停止
  6. AHV×3メンテナンスモードへの移行
  7. CVM×3停止
  8. AHV×3停止

起動フロー (復電時)

起動は手動で操作して下さい

  1. UPS 起動 (デフォルト設定で、UPSは自動的にPower ONになります)
  2. AHV×3ノード起動 (手動で電源ボタンON、もしくは、管理ポートを使用したリモート操作)
  3. クラスター開始 (開始されていれば不要)
  4. 仮想マシンの起動

IPM2にセキュリティウォレット情報の追加

IPM2にログインし、「設定」-「Security Wallet」を選択して「新規作成」をクリックします。
「ユーザとパスワード」を選択します。

「クレデンシャル」欄に下記の通り入力し、「保存」をクリックします。
・クレデンシャル名:(任意の名前)
・クレデンシャルの使用:ユーザースクリプト
・タグ付けする:(任意)
・ユーザ:(Nutanix AHVへのログインユーザ)
・パスワード:(ログインユーザに対応したパスワード)

パスワード入力画面が表示されますので、IPM2へのログインパスワードを入力し、「確認」をクリックします。

Nutanix AHVへのログイン情報を追加できました。上記と同様の手順で、Nutanix CVMへのログイン情報を追加します。
本検証ではNutanix CVMへのログイン情報は[ユーザID:Nutanix]を指定しています。

以上でセキュリティウォレット情報の追加作業は完了です。

IPM2からNutanix CVMへのコネクタ接続と設定

IPM2にログインし、「設定」-「コネクタ」画面に移動します。
「追加」-「Virtualization」-「Nutanix Prism Central / Cluster」を選択します。

コネクタ追加のウィンドウが表示されるので、「ホスト名」にNutanix CVMのホスト名またはIPアドレスを入力し、「ポート」の9440と入力します。
Nutanix CVMにログインするためのユーザ名・パスワードを入力します。その後、「ハイパーバイザをホストするサーバの自動作成」にチェックを入れ、「保存」をクリックします。

Nutanix CVMのコネクタが追加されました。

「アセット」-「Virtual Assets」の画面に移動し、 Nutanix CVMを含めたゲストマシンとAHVノード、クラスタが表示されていることを確認します。

以上で、コネクタ追加作業は完了です。

オートメーション設定 (自動化設定)

「オートメーション」画面に移動し、「新規作成」をクリックして「オートメーション」をクリックします。

<1> UPSのAC停電
「自動化名」に任意の名前を入力し、「電力の問題」をクリックします。

「UPSのAC停電」を選択し、「次のページ」をクリックします。

トリガーとするUPSを選択して、「終了」をクリックします。

UPSのAC停電をトリガーとして設定しました。

<2> 60秒待機
画面下部の「アクションの挿入」より「遅延タイムの設定」を選択します。

「待機時間(秒)」に”60″と入力し、「終了」をクリックします。

待機時間:60秒のアクションが追加されました。

<3> UPSのAC停電が継続しているかの確認
待機時間60秒経過後もUPSのAC停電が継続しているかを確認するために、「初期トリガーの有効性チェック」をクリックします。

「自動化を終了します」を選択し、「終了」をクリックします。

初期トリガーの有効性を確認するアクションが追加されました。

<4>仮想マシン(CVM×3以外)の停止
「ITアクション」をクリックします。

「VM Action」を選択し、「次のページ」をクリックします。

「ゲストをシャットダウン」にチェックを入れ、「次のページ」をクリックします。

シャットダウンするゲストマシンを選択し、「次のページ」をクリックします。

「Select conditional actions:」欄にて、「現在の自動化を続行します(デフォルトの動作)」にチェックを入れます。
「Action Timeout」欄のタイムアウト(期限切れ)後を「120」セカンドに変更し、「終了」をクリックします

仮想マシンのシャットダウンを行うアクションが追加されました。

<5>クラスタ停止
「ITアクション」をクリックします。

「Server Action」を選択して、「次のページ」をクリックします。

「SSH」を選択して、「次のページ」をクリックします。

「SSH設定」欄に下記の通り入力して、「次のページ」をクリックします。
・サーバのホスト名 :(CVMのホスト名またはIPアドレス)
・サーバのポート  :22
・Credential     :(CVMログイン用のセキュリティウォレットを指定)
・SSHコマンド   :bash --login -c "echo 'I Agree' | cluster stop"

「Select conditional actions:」欄にて、「現在の自動化を続行します(デフォルトの動作)」にチェックを入れます。
「Action Timeout」欄のタイムアウト(期限切れ)後を「120」セカンドに変更し、「終了」をクリックします。

CVMにログインし、コマンドにてクラスタの停止を行うアクションが追加されました。

<6>AHV3ノードのメンテナンスモードへの移行
「ITアクション」をクリックします。

「Host Power Action」を選択して、「次のページ」をクリックします。

「メンテナンスモードに入る」を選択します。タイムアウトは「120」セカンドに設定し、「次のページ」をクリックします。

AHV3ノードすべてにチェックを入れ、「次のページ」をクリックします。

「Select conditional actions:」欄にて、「現在の自動化を続行します(デフォルトの動作)」にチェックを入れます。
「Action Timeout」欄のタイムアウト(期限切れ)後を「120」セカンドに変更し、「終了」をクリックします。

AHV3ノードをメンテナンスモードに移行するアクションが追加されました。

<7>CVM×3ノード停止
「ITアクション」をクリックします。

「Server Action」を選択して、「次のページ」をクリックします。

「SSH」を選択して、「次のページ」をクリックします。

「SSH設定」欄に下記の通り入力して、「次のページ」をクリックします。
・サーバのホスト名 :(CVM#1のホスト名またはIPアドレス)
・サーバのポート  :22
・Credential     :(CVMログイン用のセキュリティウォレットを指定)
・SSHコマンド   :bash --login -c "sudo shutdown -P now"

「Select conditional actions:」欄にて、「現在の自動化を続行します(デフォルトの動作)」にチェックを入れます。
「Action Timeout」欄のタイムアウト(期限切れ)後を「120」セカンドに変更し、「終了」をクリックします。

CVM#1のシャットダウン処理が追加されました。残りの2台も上記と同じ流れで追加します。

<8>AHV×3ノードの停止
「ITアクション」をクリックします。

「Server Action」を選択して、「次のページ」をクリックします。

「SSH」を選択して、「次のページ」をクリックします。

「SSH設定」欄に下記の通り入力して、「次のページ」をクリックします。
・サーバのホスト名 :(AHV#1のホスト名またはIPアドレス)
・サーバのポート  :22
・Credential     :(AHVログイン用のセキュリティウォレットを指定)
・SSHコマンド   :bash --login -c "sudo shutdown -P now"

「Select conditional actions:」欄にて、「現在の自動化を続行します(デフォルトの動作)」にチェックを入れます。
「Action Timeout」欄のタイムアウト(期限切れ)後を「120」セカンドに変更し、「終了」をクリックします。

AHV#1のシャットダウン処理が追加されました。残りの2台も上記と同じ流れで追加します。

「保存」をクリックします。

以上で、IPM2でのオートメーション設定は完了です。

シャットダウンテスト

UPSへ給電している入力電源ケーブルを抜き、電源障害を発生させます。

<4>仮想マシン(CVM×3以外)の停止
60秒経過後に仮想マシンのシャットダウンが開始されます。

仮想マシンがシャットダウンされました。

<5>クラスタ停止
仮想マシンがシャットダウンした後、AHV#1にクラスタ停止コマンドを実行します。

<6>AHV×3メンテナンスモードへの移行
仮想マシンのシャットダウン後、AHV3ノードをメンテナンスモードに移行するアクションが実行されます。

<7>CVM×3停止
クラスタ停止後、CVM×3をシャットダウンします。

<8>AHV×3停止
CVM×3ノードが停止された後、AHV×3をシャットダウンします。

以上で、Nutanixクラスタの停止は完了です。

Nutanixクラスタシャットダウン時のタイムアウトについて

Nutanix AHV及びCVMのシャットダウンアクションにて「タイムアウト」となってしまうことがありますが、実際のシャットダウンアクションは正常に完了します。

おわりに

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