当社に寄せられるソフトウェアに関する問い合わせの中でも上位にランクインする「USB接続時のシャットダウンタイマーの設定方法がよく分かりません」について解説します。
システム構成
・UPSとPCをUSBケーブルで接続したまま、PCにIPPをインストールしました。
シャットダウン タイムチャート
・停電が発生してバッテリー運転状態が5分間継続したら、UPSはシャットダウンシーケンスへ移行。同時にPCシャットダウン開始。
・シャットダウンシーケンスに移行したUPSは、3分後にシャットダウン開始。
ログイン
ログイン admin 、パスワード admin でログインします。
警告画面はOKをクリックします。
IPP 1.70以降、パスワード変更が必須になりました。
パワーソース設定
「自動検出」をクリックして、UPSのステータスが緑アイコン(正常)になっている事を確認します。
緑アイコンになっていなければ、UPSを選択してから「パワーソースとして設定」をクリックします。
UPSとコンセントグループを確認して保存します。
シャットダウン設定
「設定」→「シャットダウン」へ進み「シャットダウン構成の編集」をダブルクリックします。
シャットダウン構成の編集メニューがポップアップするので、画像と同じように設定して保存します。
シャットダウンタイマー(秒):バッテリー運転の状態が何秒間継続した時に、「シャットダウンのタイプ」を実行するかを入力します。今回は5分経過後に実行したいので、【300】と入力します。
シャットダウン継続時間(秒):OSがシャットダウンを開始してからシャットダウン完了するまでの必要時間を入力します。今回は3分後にUPS本体をシャットダウンしたいので、【180】と入力します。
【重要】シャットダウン継続時間を必要以上に大きくしないように十分注意願います。
シャットダウンのタイプ:動作させたいアクションを選択します。今回はシャットダウンを実行したいので、【シャットダウン】を選択します。
シャットダウンのスクリプト:シャットダウンのタイプで「スクリプト」を選択した場合は、実行したいスクリプトのパスを入力します。今回はスクリプトを選択していないので【空白】にします。
コンセントの遮断がアクティブ:少し変な日本語になっています。この項目は「UPSのシャットダウン」と読み替えてください。チェックを入れるとシャットダウン継続時間後にUPS本体はシャットダウンします。チェックを入れないとUPS本体はシャットダウンしません。UPSはバッテリーの限界まで稼働します。今回はUPSもシャットダウンしたいので【チェックあり】にします。
設定が反映された事を確認します。
自動更新の無効化
UPS管理ソフトウェアの更新版が存在するかを、インターネットを経由して定期的に確認する設定になっています。インターネット環境にない場合は、更新確認を【無効化】します。
「システム」の「自動更新の設定」をダブルクリックします。
更新確認の間隔を「指定なし」に変更して保存します。
「指定なし」が反映された事を確認します。
シャットダウン動作確認
UPS本体の電源ケーブルを抜いて、バッテリー運転してUPSまでシャットダウンする事を確認します。
あとは、ご希望の「シャットダウンタイマー」と「シャットダウン継続時間」に変更してください。
【重要】注意事項
IPPのシャットダウン継続時間は必要最低限とし、長く設定しないように十分注意願います。
UPSのバッテリーランタイム ≦ IPPのシャットダウン継続時間が成立する場合、UPSは即時シャットダウンシーケンスに移行します。
具体的な数値で説明します。
600秒間バッテリー運転が継続したら、1200秒間のシャットダウンシーケンスに移行する設定になっているとします。
この時バッテリー運転になり、バッテリーが900秒しか持たないとしたら、シャットダウンタイマー600秒間を待ってられません。シャットダウンに必要な時間(シャットダウン継続時間)は1200秒間と設定されています。そのため、UPSは即時シャットダウンシーケンスへ移行してシャットダウン処理を進めます。
バッテリーランタイム > シャットダウン継続時間 を常に保たなくてはなりません。
- シャットダウン継続時間は必要最低限の設定にする
- UPSの負荷を減らしてバッテリーランタイムを長くする
- UPSに拡張バッテリーを増設してバッテリーランタイムを長くする