Eaton独自の完全独立並列冗長技術Hot Syncを紹介します。
Eaton独自の並列冗長運転技術 Hot Sync の紹介(特許取得済み)
業界で最も信頼性の高い並列運転システムを提供
並列冗長運転の問題点 (従来のUPS)
- 複雑なケーブル接続でノイズに干渉されやすい
- UPS間の通信ケーブルへのノイズの影響でロードバランスが取れなくなり最悪UPSはバイパス運転となる
- 同期をとるための調整が複雑
- UPSを拡張する場合バイパス運転にしなければならない
- インバータIGBTの障害やキャパシタのショートは障害発生部の切り離しが難しくバイパス運転となることがある
Eaton Hot Syncによる冗長化(特許取得済み)
障害に対するシングルポイントが無い
- UPMs/ UPSは独立して並列接続
- 1つのモジュールは他のモジュールに影響を与え無い
- ドミノ効果のシナリオは無い
- 全体の負荷を各ユニット間で±5%以内でシェアする
- 障害時にユニットの切り離しを瞬時に行う
- 同期、負荷分散やバイパス運転への自動切替にはモジュール間の配線を必要としない
- モジュール間の配線はUPSの状態把握、マニュアル操作の実行のために存在する
上記はマスター/スレーブ機能や共通の制御回路無しで実現できる
- マスターと同期又は負荷コントロールの信号を必要としない
- 信頼性の向上および設置の簡略化が図れる
- 故障対応が簡単に行える
Hot Sync技術の仕組み
Digital Signal Processor (DSP) アルゴリズム
各UPSは稼働しながら電圧位相の調整とロードシェアリングを行います。プロセッサーはユニット間で共通の周波数とロードバランスを見つけるために出力電力レベルを監視しインバータ周波数の微妙な調整を行います。
下記は各ユニット間の電力不均衡と電圧位相の違いを示した図です。
Fn = Fn-1 – K1(Pn) – K2(ΔPn)
Fn = 周波数
Fn-1 = 直前の周波数
Pn = 負荷への電力
K1 = 周波数低減係数
K2 = 電力変化率係数
アンバランスなロードシェアリング
並列に接続されたUPSの電圧(V1 and V2)の差がユニット間に電流を発生させロードシェアリングに不均衡が生じている
ロードシェアリング・プロセス
大きな位相の違いが大きな電力不均衡を招きます。今、出力電力によって電圧位相を調整できる制御装置があれば位相の違いを減少することが可能です。位相の違いをゼロにできれば正しいロードシェアリングが可能となります。この位相調整技術により、外部バイパスからインバータ運転へ切替える際も、簡単に素早く位相の同期が可能となります。
下記フロー図はどのようにロードシェアリングが進行しているかを示します。
“選択トリップ”
各モジュールは毎秒3000回出力電力を計算し監視しています。この出力電力の監視機能により障害モジュールの早期発見を可能にしています。
その出力電力がマイナス場合には、一瞬であっても、内部障害の指標となります。例えばIGBTのショートの場合、直ぐにそのモジュールを切り離しオフラインにします。これにより障害の影響を最小限にすることが可能となります。この機能は“選択トリップ”と呼ばれています。
Eaton Hot Sync技術の紹介ビデオ(日本語)
Hot Sync紹介ビデオでは実際にUPS間のコミュニケーションケーブルを取り外しロードシェアリングが問題なく出来るところをご覧いただけます