Network-MSのシャットダウンパラメーター(シャットダウンと再起動)について解説します。
はじめに
解説の機種は3つのコンセントグループが存在しますが、1つのコンセントグループだけの機種もあります。その場合、Masterしか表示されません。
シャットダウン設定
Master GroupとGroup1、Group2は主従関係になっています。
Master Groupがシャットダウンすると、Group1とGroup2は同時にシャットダウンします。
Master Group
バッテリーモード中に、いずれかの条件を満たした時に、このUPSをパワーソースに設定しているマシンに対してシャットダウン命令を投げてシャットダウンシーケンスに移行します。
- バッテリー稼働可能時間が指定値(秒)を下回った時
- バッテリー容量が指定パーセント(%)を下回った時
- バッテリーモードになってから、指定した分を経過した時
一定時間が経過した時にシャットダウン命令を投げたい場合、[になった後]にチェックを入れて時間(分)を入力します。
3つめの条件は[になった後]にチェックを入れれば[有効]、入れなければ[無効]になります。
こちらを使用しなくても、上2つの条件は常に有効となるため、どちらかの条件を満たした時にシャットダウン命令を投げてシャットダウンシーケンスに移行します。
システムシャットダウンは、シャットダウンシーケンスに移行した時に、何秒後にUPSをシャットダウンするかしないかの設定になります。
※ シャットダウン待機時間は、バッテリーモードのシャットダウン条件よりも優先されます。
<具体例>
になった後「5分」、シャットダウン継続時間「30分」に設定した時、UPSのバッテリーランタイムが35分を上回っている場合、設定したタイマー通りの動作をします。
バッテリーランタイムが30分を下回っている場合、バッテリーモードのシャットダウン条件を問わず、直ちにシャットダウンシーケンスに移行します。
運転可能なランタイムが32分の場合、バッテリーモード2分経過でシャットダウンシーケンスに移行します。
上記のため、シャットダウン待機時間はバッテリーモードのシャットダウン条件よりも優先されます。
【設定例】バッテリーモードになって5分経過した時に、このUPSをパワーソースにしているマシンにシャットダウン命令を投げて、その3分後にUPSをシャットダウンする設定です。
Group1とGroup2
バッテリーモード中に、いずれかの条件を満たした時に、Group1,2のみをスイッチオフする事ができます。
- バッテリーモードになってから、指定した秒を経過した時
- バッテリー容量が指定パーセント(%)を下回った時
【注意点】
Master Groupでは2つの数値の合計値がUPSがシャットダウンするタイミングでしたが、Group1,2はここの値(秒)だけがスイッチオフのタイミングになります。
[になった後]に入力した値から[シャットダウン待機時間]の値をマイナスした秒のタイミングで、Group1,2をパワーソースにしているマシンに対してシャットダウン命令を投げます。
【要注意】
シャットダウン命令を投げるタイミングを過ぎた後に電源回復してもスイッチオフは実行されます。
【設定例】バッテリーモードになって4分経過した時にマシンに対してシャットダウン命令を投げて、その2分後にGroup1をスイッチオフする設定です。
※Master Groupと同じタイミングでスイッチオフを実施したい場合、Group1と2の両方の[になった後]の値を99999秒にして下さい。
再起動設定
バッテリー容量が指定パーセント(%)を超えた時に、Master Groupがスイッチオンします。
デフォルトだと0%になっているため、電源回復と同時にスイッチオン(負荷機器に電力を供給)します。
バッテリー容量がある程度まで回復してからスイッチオンさせたい場合、この数値を変更します。
Group1とGroup2
Master Groupがスイッチオンしてから、指定時間(秒)後にGroup1,2をスイッチオンさせる事ができます。
Masterには最初に起動させたい機器を接続、Group1,2には遅れて起動させたい機器を接続するように配線します。
【設定例】バッテリー容量が50%を超えた時にMasterをスイッチオン。60秒後にGroup1をスイッチオン、さらに60秒後(計120秒後)にGroup2をスイッチオンする設定です。
※Master Groupと同じタイミングでスイッチオンしたい場合、Group1と2の両方の値を0秒にします。
おわりに
Group1,2のシャットダウンタイマーを使用される事例はとても少ないです。特に使用する事がないようでしたら、Group1,2のスイッチオフの秒は99999や65535など、大きい数値を設定される事を推奨します。