Eaton UPS(イートン 無停電電源装置) テクニカルブログ

【IPM】 シャットダウン for SimpliVity by IPM 1.61

このブログより新しいSimpliVityブログがあります。下記リンク先に移動して、最新のシャットダウンソリューションをご確認願います。

シャットダウン for SimpliVity by IPM 1.67


HPE SimpliVity環境を借りてシャットダウン検証を実施したのでここで報告します。

※弊社にはSimpliVity環境が無いので、お問い合わせ頂いても回答できない場合があります。

検証結果

  • Eaton IPM 1.61 with Silver Licenseにより「SimpliVityのシャットダウンと起動」は条件付きで可能
  • IPMのノードリストにSimpliVity OVCは表示されませんでした

前提条件

  • Eaton IPM Silver License以上が必要
  • Simplivityとは別システムにvCenter Serverが存在すること
  • Simplivityとは別システムにWindows Serverが存在すること
  • 全ての仮想マシンにVMware Toolsがインストールされていること

今回の検証環境

HPE SimpliVity 380

  • ホスト x2台 [VMware ESXi]
  • 仮想マシン x6台 [SimpliVity OVC x2, Windows Server x4]

HPE DL380 Gen 9

  • ホスト x1台 [VMware ESXi]
  • 仮想マシン x1台 [Windows Server 2016 (vCenter Server)]

HPE MicroServer Gen 8

  • 物理マシン x1台 [Windows Server 2016 (IPM with Silver License)]

UPS

  • Eaton 9PX3000RT + Eaton Network-MS

今回の検証環境構成図

Windows版のvCenter Serverは6.7が最後という情報があり、今後はvCSAが主流になっていくと思われます。vCSAの時は、任意のWindows Server仮想マシンにIPMをインストールすれば(もしくは、IPMアプライアンスを展開すれば)、シャットダウン管理できます。

理想のシャットダウンフロー

  1. 仮想マシン(OVCを除く)を任意の順序でシャットダウン
  2. OVCを任意の順序でシャットダウン
  3. SimpliVity ESXiをメンテナンスモードへ移行
  4. SimpliVity ESXiをシャットダウン
  5. vCenter仮想マシンとvCenter ESXi シャットダウン
  6. IPMサーバ シャットダウン
  7. UPS シャットダウン

今回のシャットダウンフロー

シャットダウン時にSimpliVity ESXiをメンテナンスモードへ移行すると、自動起動が実現せず、手動操作になってしまうと検証中に判明しました。今回は自動起動を重視したため、メンテナンスモードへ移行を省略しました。

起動を手動操作にて行う場合、メンテナンスモードへ移行を追加して下さい。

  1. 仮想マシン(OVCを除く)を任意の順序でシャットダウン
  2. OVCを任意の順序でシャットダウン
  3. SimpliVity ESXiをシャットダウン
  4. vCenter仮想マシンと vCenter ESXi シャットダウン
  5. IPMサーバ シャットダウン
  6. UPS シャットダウン

シャットダウン後の起動

シャットダウン後の起動に関しては、こちらのテクニカルブログで紹介しています。

HPE SimpliVityのシャットダウン設定

ここから、実際の設定手順を解説します。
簡易な箇所・繰り返しのオペレーションになる箇所は、手順を省略させて頂きます。

Java JRE 8 インストール

IPMをインストールする前に、Java JRE 8 をインストールします。
後からJava JRE 8 をインストールした場合、IPMのサービスを「停止」→「開始」します。

Java SE Runtime Environment 8 Downloads

Eaton IPM 1.6x インストール

インストール手順は省略します。

OpenSSH-win インストール

インストール手順は、こちらのテクニカルブログを参考願います。

シルバーライセンスの適用

シルバーライセンスにアップグレードするには、「プロダクトキー」が必要となります。
弊社から届いた「プロモーションコード」をご準備の上、下記URLの手順に従って「プロダクトキー」を入手して下さい。

シルバーライセンス、ゴールドライセンスのプロダクトキー取得手順

初期設定

ログイン

ログイン:admin、パスワード:adminでログインします。

更新設定の編集

設定 > システム > 更新設定の編集 を押します

間隔:[指定なし]に変更して保存します

モジュール設定の編集

設定 > システム > モジュール設定の編集 を押します

[シャットダウン]、[インフラストラクチャーコネクター]、[冗長性]にチェックを入れて保存します

インフラストラクチャーコネクター

設定 > インフラストラクチャーコネクター > コネクターの追加

プルダウンの中から、VMware vCenter を選択し、IPアドレス、ユーザー名、パスワードを入力して保存します。

シャットダウン シーケンス

電源障害が発生してから、指定した時間を経過したタイミングでアクションが実行されます。

仮想マシン test004 シャットダウン設定

【追記:2018年11月20日】

 検証時は、1番最初のアクションから[イベントルール]と[アクション]の組み合わせでイベント連鎖していました。しかしながら、1番最初のアクションは[構成ポリシー]と[アクション]で作成し、2番目以降のアクションを[イベントルール]と[アクション]で作成するのが、適切と判明しました。
 弊社に環境が無く、スクリーンショットが取り直せないため、画像はブログ作成時のままとなっております。

[構成ポリシー]と[イベントルール]と[アクション]の作成の手順は、こちらのテクニカルブログにて解説しております。

イベントルール

UPSが30秒間バッテリー運転した時にイベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

※ [構成ポリシー]を作成して、アクションと関連付ける設定でお願い致します

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

仮想マシン test003 シャットダウン設定

仮想マシン1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから30秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

仮想マシン test002 シャットダウン設定

仮想マシン1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから30秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

仮想マシン test001 シャットダウン設定

仮想マシン1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから30秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

仮想マシン OVC82 シャットダウンセーフ設定

仮想マシン1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから150秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

OVC82にSSH接続してコマンドを実行しています。コマンドラインには下記の通り入力します。

bash --login -c "svt-shutdown-safe"

仮想マシン OVC81 シャットダウンセーフ設定

仮想マシン1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから120秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

OVC81にSSH接続してコマンドを実行しています。コマンドラインには下記の通り入力します。

bash --login -c "svt-shutdown-safe"

仮想マシン OVC81 シャットダウンフォース設定

仮想マシン1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから30秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

OVC81にSSH接続してコマンドを実行しています。コマンドラインには下記の通り入力します。

bash --login -c "svt-shutdown-force --force"

ホスト SimpliVity ESXi02 シャットダウン設定

ホスト1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから120秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

ホスト SimpliVity ESXi01 シャットダウン設定

ホスト1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから30秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

ホスト vCenter ESXi シャットダウン設定

IPMはホストに対してのみシャットダウン命令を投げます。VMwareの機能「仮想マシンの起動およびシャットダウン」をあらかじめ設定しておく事で、シャットダウン命令を受けたホストは仮想マシンvCenterをシャットダウンしてからシャットダウンします。

仮想ホスト1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから120秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

esxiにSSH接続してコマンドを実行しています。コマンドラインには下記の通り入力します。

poweroff

物理マシン IPM Server シャットダウン設定

今回の検証環境ではIPM Serverが物理で存在しているため、IPM Serverの設定をしています。ESXi上にあれば、VMwareの機能「仮想マシンの起動およびシャットダウン」によってシャットダウンされるため、この設定は不要になります。

物理ホスト1台に対して、[イベントルール]と[アクション]を作成します。

イベントルール

1つ前のイベントが発生してから120秒後に、イベントが発生するように「イベントルール」を作成します。

アクション

上記イベントが発生した時に実行する「アクション」を作成します。

コマンドを実行しています。IPM Server自身のため、SSH接続していません。コマンドラインには下記の通り入力します。

shutdown -s

すぐにシャットダウンしたい場合は

shutdown -s -t 0

UPSのシャットダウン

UPSが2分間バッテリー運転したら、780秒後にUPSがシャットダウンするようにシャットダウンパラメーターを設定します。

Network-MSにアクセスします(カードのIPアドレスをブラウザに入力します)

UPS > UPSシャットダウンパラメーター

□になった後 にチェックを入れます
時間を 2分 に設定します

シャットダウン 待機時間:780秒
..後UPSをオフする 順次シャットダウン:有効

シャットダウンテスト

UPSのバッテリーランタイムが十分に確保されている事を確認してから、UPSの入力電源ケーブルを抜いてシャットダウンテストを実施します。

おわりに

OVC (SimpliVity OmniStack Virtual Controller)に触れるのが初めてだったため、シャットダウン手順を理解するのに時間がかかってしまいました。

HPE SimpliVityの電源保護は、Eaton UPSとEaton IPMを提案させて頂きます。

以上、村田@ダイトロンがお届けしました。

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